むし歯の治療について
日常で非常に多く行われているむし歯の治療について、大まかですが書かせていただきました。普段何をされているか分かりづらいと思いますが、ちょっとした事にも気を使っていることをご理解いただければ幸いです。また疑問に思ったらぜひ質問して下さい。「それは何のために行なっているのですか?」
当院の取り組み
齲蝕検知液を使う
う蝕検知液は、虫歯治療の際に使用される薬剤で、虫歯の部分のみを赤く染めるものです。成分はアシッドレッド1%とプロピレングリコール(またはポリプロピレングリコール)です。虫歯治療で一番大切なのは細菌に感染した歯質を完全に除去することです。う蝕検知液を使うと、細菌に感染した取り除くべき部分が赤く染まります。したがって、どこまで虫歯を削ればよいかの目安になります。
感染予防とケガ予防のためのラーバーダム
ラバーダムを使用するのは実は根管治療だけではありません。ラバーダムの目的は唾液の侵入を防ぎ、感染から予防すること。また、根管治療時の器具の落下による誤飲を防ぐこと、歯を削る時に、ほっぺたの内側の粘膜や舌を保護することです。ですから治療中に急に動きやすいお子様の奥歯を治療するときも効果を発揮します。
詳しくは根管治療のページを
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詰め物や被せ物の適合をよくするために
型の変形を防ぐ
歯の型を取ったアルジネート印象材はすぐに変形を始めます。それを防ぐためには冷やた水に入れておき、なるべく早く石膏を注ぐことにあります。水の温度は印象材の変形に大きく影響しますので、特に夏場は頻繁に氷を入れ替えるなどの手間が必要になります。
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当院では技工物の調整は必ず歯科医師が行います。歯周状態や咬合、そして口腔全体のバランスを考え、専門知識と五感をフルに活用して補綴物を調整しています。
技工物に妥協しない
どんなに注意していても、まれに噛み合わせや隣の歯との関係が適切でない技工物が2〜300個のうち1つくらいはあります。患者さんにはご不便をおかけしますが、後々の事を考えるとやり直すことが必要です。ここで妥協してしまうと食物が詰まりやすくなったり、2次虫歯ができやすくなったりするからです。また、患者さんが技工物を入れる前に、うっかり固いものを噛んでしまって、歯の一部がわずかに欠けてしまう時も、泣く泣く再製になります。
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麻酔の仕方を工夫する
表面麻酔を塗る
麻酔時の痛みには針を刺すときの痛みと、 麻酔液が入るときの痛みがありますが、針を刺す時の痛みを緩和させるために、注射針をさす歯肉にあらかじめ麻酔を塗って感覚を鈍くさせておきます。そのために使用するのが、表面麻酔です。ゼリー状や液状のものがあります。
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針を刺すときには実は裏技?というような方法があります。 写真ではわかりづらいのですが、針から歯肉を刺さないで、針を歯肉の近くに置き、粘膜を引っ張って 粘膜側から針に当てるようにします。すると引っ張られた感じはしますが、チクっとしないので、いつ針が刺さったか分かりません。毎回上手くいくとは限りませんが、人によっては全く痛みを感じないので驚かれる方もおられます。
麻酔液を温める
麻酔時の痛みには、針を刺す時の痛みのほかに、麻酔の液が体内に入る時に感じる痛みがあります。麻酔の液が入るときの痛みの軽減には、麻酔液の温度を温めておくこと、麻酔液が入る速度をゆっくりとすることなどです。体に急激な変化を生じさせないようにすることがポイントです。
麻酔の後はしっかり消毒をします。針を刺したということはそこに傷が出来たということですから、感染を予防する必要があります。麻酔の後に消毒することで、麻酔後の感染による口内炎を予防することにもなります。
治療の説明をきちんと行う
右の写真は根管治療の説明をしているところです。図を使ってどういう治療を
するのかを説明しています。また、詰め物や被せ物をした時は鏡を使ってご説明させていただきます。当院の歯科衛生士は、治療内容を説明するトレーニングを受けていますので、歯科医師の意図を良く理解し、 患者さんによりわかりやすく説明することができます。
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