【ご質問】
この間、治療したはずの被せた歯が痛いのですが、どうしてでしょうか?
【回答】
歯に被せ物をしたとのことですが、被せる前の状態はどのようだったでしょうか?
被せ物をする前の歯の状態によって、いくつか原因が異なります。具体的には、まず歯の神経が生きているかどうかということが問題になりますが、その前に被せ物が合っているかどうかを考えてみましょう。
被せ物があっているのか?
被せる前は痛く無かったのに、被せ物をしたら痛くなったという場合は、被せ物の咬合が合っているかどうかを最初に調べます。何か物を噛んだ時でなく、ただ口を閉じてカチカチと噛んだり、歯ぎしりをしてみて下さい。
この時に痛みや違和感があるなら、咬合に問題があるかもしれません。
歯の神経が生きている場合に被せ物をした場合
次に歯の神経が生きている歯に被せ物をして、痛みが出た場合について考えてみます。この場合は、その歯のもともとの虫歯が神経に近いくらい大きく、歯に被せ物をしたときに、被せ物の調整や被せ物を歯にくっつけるための接着剤の刺激で歯の神経に炎症が起きている可能性があります。
炎症の程度低い場合
炎症の程度が低いものでは、熱いものや冷たいものを食べたり飲んだりした時に一過性(その時だけに)歯がしみるということが生じます。この場合は先に述べた咬合に問題がなければ、時間とともに自然に治る(しみなくなる)ことがあります。
何もしなくても痛いほど炎症が強い場合
ただ、炎症の程度が進むと、何もしなくて痛くなったり、物を咬めないという状態になります。
こうなると歯の神経の治療をしなければならなくなります。
歯の神経を抜いて被せ物をした場合
次に歯の神経は抜いたはずなのに痛いという場合は、歯の根の先にウミの袋が出来ていないかどうかを調べます。
歯肉が腫れている場合
歯肉がぷくっとは腫れていたり白いできもののようなものが歯肉に出来ている場合は、ウミの袋ができているか、歯が割れているかが疑われます。どちらもレントゲンで大体はわかります。
歯が割れている場合は、抜歯になることが多いですが、根の先にウミの袋がある場合は、歯の神経の再治療を行います。
神経の取り残し・副根の可能性を探る
レントゲンでもウミの袋がなく、神経も抜いたはずという場合は、歯の神経の取り残し(残髄)や、副根などによって神経が残っている可能性を探ります。これらの場合も、歯の神経の治療をやり直すことで、歯を治すことができます。
【参考】
日本歯肉療法学会
http://www.jea.gr.jp/seihin/xsmart.shtml
【参考】
根管拡大装置 スマートプラス
デンツプライ三金株式会社
http://www.dentsplymaillefer.com/wp-content/uploads/2016/10/Dentsply_Maillefer_X-SMART-PLUS_1015_DFU_JP.pdf
その他の原因の場合は
最後に、以上のどれも問題がないのに痛むという場合は、まだレントゲン上にうつるほどではないけれど、歯の歯根膜にばい菌が感染しているか、あるいは歯が原因でなく三叉神経やなどに顎の関節などに問題が隠れていることがあります。
その場合は、総合病院や大学の附属病院の歯科口腔・顎顔面外科に紹介状を書いてもらい、調べてもらった方がいいでしょう。