歯周病の治療
次に歯周病の原因となっている歯垢(プラーク)がどれだけ歯ブラシで取れているかをしっかりと自分で確認することが大切です。そしてその歯垢・歯石をきれいに取り除き、再びつかないようにします。
こんな症状のある方は歯科医院へ
・口臭がする
・歯茎から血が出る
・歯茎が腫れている
・歯が浮いた感じする
・歯が揺れてグラグラする
目次
A-1 歯周検査でお口の中を調べる
A-1-a 歯周ポケット状態を調べる
A-1-b 歯茎の腫れや出血を調べる
A-1-c 歯の動揺度を調べます
A-1-d 歯周病検査結果を説明
A-2 基本治療と外科治療
A-2-a プラークコントロール
A-2-b 歯石を取除き、細菌を除去
A-2-c 歯周病の外科治療
A-2-d 歯周組織再生治療
A-2-e 歯の動揺を抑えるための固定
A-1歯周検査で口の状態を調べる
歯周病の程度を知るためには、骨の吸収がどの程度進んでいるのか知る必要があります。おおまかに知るにはレントゲン撮影でもわかるのですが、さらに詳細に歯の周りの骨のどの部分がどの程度の吸収が進んでいるのか調べることで、咬合との関係や、歯ブラシで特に注意すべきことが分かります。
A-1-a 歯周ポケットの深さを測や状態を調べる
プローブという器具を使用して歯周ポケット内の深さをはかります。歯周ポケット内の深さを測定することで、歯周疾患がどの程度進んでいるか分かります。
A-1-b 歯茎の腫れや出血の有無を調べる
歯周ポケット測定後、その部位に炎症があれば出血が見られます。出血がある場合、通常は歯肉縁上にプラークがありますから、歯ブラシの当て方をご説明し、プラークコントロールを行います。歯周ポケットを慎重に探ると、歯肉縁下に歯石がある時は、ザラザラした触覚があります。このようにプローブの挿入によって外見上だけでなくポケット内の状態まである程度把握できます。
A-1-c 歯の動揺度を調べます。
ピンセットで歯の動揺度を調べます。歯周病の治療にあたって、歯の動揺が大きい場合は、動きを少なくし歯の動揺を抑えるために動揺歯を一時的に固定して歯周組織の安静と咬合の安定を図ります。
◇歯の動揺度検査
【0度:生理的動揺】
ほとんど動きを感じない。
【1度:軽度の動揺】
唇舌方向へわずかに動く。生理的動揺よりわずかに大きいと感じる程度。
【2度:中程度の動揺】
近遠心方向にも動く。唇舌方向にも約1ミリ動く。
【3度:高度の動揺】
垂直方向にも動く。唇舌方向にも約2ミリ動く。
A-1-d 歯周病検査の結果を患者さんへ説明
「何のためにこの検査をするのか?」をきちんと患者さんへ説明してから、歯周検査を行います。
検査終了後には、検査シートを用いて患者さんの今のお口の状態をご説明させていただきます。
ポケットの深さ・出血具合・歯の動揺度についてお伝えし、今後の治療の流れを説明いたします。
【参考】
厚生労働省 生活習慣予防のための健康情報サイト
歯周病について
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-03-002.html
A-2 基本治療と外科治療
A-2-a 正しいブラッシングでプラークコントロール
現在の自分の歯ブラシを確認するために染め出し液を使います。すると古い歯垢は濃紺に新しい歯垢は薄紫に染まります。
こうして患者さんに目で汚れの具合を把握してもらいます。 患者さんに正しいハブラシの当て方や磨き方を機会を見つけては何度も説明したり、歯周病について正しい知識を伝えて、患者さんが日常の中で歯周病を予防できるようにすることが歯科医院の役割のひとつです。
A-2-b 歯石を取り除き、根の表面を滑らかにして炎症を引き起こす細菌を除去
A-2-c 歯周病の外科治療
歯周病の初期治療でポケットの深さが改善されず、歯周病の進行が中等度から重度の場合は、外科的にポケットの深さを減少させる歯周外科手術を行います。
A-2-d 歯周組織再生治療(適応の場合)
【参考】
科研製薬株式会社
歯周組織再生剤 リグロス
http://www.kaken.co.jp
A-2-e 歯の動揺を抑えるための固定
歯の動揺が大きくなりますと歯ブラシも上手く出来ません。このような場合は暫間固定という治療を行います。
◼️暫間固定とは
歯の動揺を抑えるために動揺歯を両隣の歯と繋げることで一時的に補強固定して歯周組織の安静と咬合の安定を図ることをいいます。固定することで、歯の動揺による口腔清掃のしにくさや、咬みにくさを軽減します。