歯周病で歯がグラグラしているのですが、歯を抜かなければダメでしょうか?
歯周病を治すことはできますか?

 

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【ご質問】 
歯周病で歯がグラグラしているのですが、歯を抜かなければダメでしょうか?
歯周病を治すことはできますか?
 

 【回答】
歯周病と言っても、いろいろなレベルのものがあります。初期のものは歯肉の炎症と出血ですが、進行すると歯肉の腫れや歯の動揺といった症状に進みます。
歯の動揺も単に水平的に(横に)動くだけなのか、垂直に(上下に)動くのかなどによる違いがあります。
 

歯周病の進行具合

 

 
 
 
一般的に後者の方が、歯周病の進行が進んだ状態だと言われていますが、レントゲン撮影によって、顎の骨の吸収程度を見たり、歯周ポケット検査などで総合的に診断する必要があります。
 

歯の動揺腫れ

 
 

抜くかどうかはレントゲン撮影で骨の状態を確認

さて、ご質問のグラグラした歯ですが、単に揺れているというだけで、歯を抜く訳ではありません。歯がグラグラしていても、レントゲン撮影をしたら歯の周りの骨がまだ保存可能な状態のこともよくあります。
 

 
もちろん放置していては、だんだんと歯の動揺が大きくなり、同時に骨の吸収が進み抜かなければならない状態になりますが、すぐに治療すれば、歯のグラグラを治すことも可能です。
 

動揺している場合

 
歯肉の炎症を抑え、嚙み合わせを調整し、適切な咬合を与えることで、歯の動揺も改善されてきます。
 

 
 
 
 

歯周病組織再生材「リグロス」

また2016年に科研製薬株式会社が製造販売承認を所得した「リグロス」という歯周組織再生剤がありますが、この薬剤によってこれまで以上に歯槽骨の増加が可能となりました。
 

りグロス

 
さらに骨だけでなく歯を支える組織再生が有効であると認められました。過去にも同様の薬剤はあったのですが、「リグロス」はより効果があると証明されています。
薬剤自体は牛や他の動物由来でなく、遺伝子組換え技術によるヒト由来の成分であるために安全性も高まりました。
 
しかも、保険適用の薬剤ですので、5年前と比べても、歯周病治療の選択の幅が広がったのです。ただ、注意していただきたいのは、すべての症例に使えるわけではありません。
 

【参考】 
歯周組織再生剤「リグロス歯科用液キット」の国内製造販売承認取得について
科研製薬株式会社
http://www.kaken.co.jp/nr/release/nr20160928.html
 

 
 
 

歯周病は治るのか?

基本となるのは、今までに確立されてきた歯周病治療です。歯周病治療は治すことは出来ます。しかしそれは決して昔のような歯肉の状態になることではありませんし、歯槽骨も以前のように完全に回復するわけではありません。
 

歯周病の状態

 
 
ですが、歯肉を健康な状態にして、歯のグラグラを治し、美味しくご飯を食べれるようにはなれます。そのためには治そうという強い意思をもって、歯科医師と一緒に治療に取り組む必要があります。
 

【参考】
群馬大学 歯科口腔・額顔面外科
https://hospital.med.gunma-u.ac.jp/?p=530
お問い合わせ TEL 027-320-2418